Sample List


くるくる
 イクミ
雨ときどきロックンロール
 ウルー×双翼
彼女らの流儀
 いち×粉コロモ
Goodbye our god.
 左都×音羊
コオロギビーツ!
 文月そら
Allegro Tempo giusto
 アルエム×*
世界を謳う、混沌の歌姫。
 ドラゴニズム
風邪の君
 伊音×ヤナギ
空き缶と雨の日の私
 りんしょく
Goodbye Melancholy
        , Goodbye

 匿名希望×占石
ハッピーエンド
 けんごち
Our Song
 kobax×Anemos
Give up the ghost.
 橘
Way Up
 shuta
誰のための歌?
 山鳥
卒業
 鈴木このり×れもたろ
ランニングハイ
 すなふ
simile
 久慈光樹
Not Liar, Not falseNess.
 k.seiru×都岡さち
Ode to Joy
 風見由大×アリ

隣り合わせのサンクチュアリ
 広瀬凌×海底
隣り合わせのサンクチュアリ
広瀬凌×海底



 まぁ、そう言うこともあるだろう。完璧な人間なんていやしない。だからあれ以降、いつもの練習部屋が使えるまで一切練習をせずUNOにドハマリした私達を責められる人だっていない。いないはずだ。いない事にしておく。
 かくして私達はUNOが強くなった。ドロツーの真髄は守備的な運用にあると悟り、スキップはタイマンの時に強力な切り札になると知った。リバースはいまだに使い所がよく判らないけれど、隣の奴に使われると腹が立つのは確かだ。関根がリバースを出すタイミングだけは見習いたい。
 こんなゲームに強くなって一体何になるのかと言うと、何もない。ただそれを言い出したら麻雀も同じだし、バンドだってそう変わらないかもとも思う。
「み、みゆにゃん」
「入江、お前赤もってないだろ? わかる、あたしにはわかる。リバース!」
「あ、やったー、あがりです。ひさ子さんありがとうございます!」
「ガッデム!」
 いつもの教室で休憩時間に遊んでる。UNOの良いところは四人揃わなくても遊べるところだ。関根とユイは負けが込んだので使いぱっしりに走っている。戻ってくるのを待たずに再開してる私達も相当ジャンキーだとは思うけど。
「ふっ、岩沢、一騎打ちだな……」
「なんかゲームを深く知るたび、麻雀で感じてたひさ子の神々しさが失われていくから面白いよ」
「なにを? スキップ、スキップ、スキップ、よし次でラストだ、ひさにゃん!」
 私はそっとドロツーを出す。ひさ子が頭を抱えた。入江が微笑みながらカードを二枚差し出している。ひさ子は豪運かもしれないけど、カードの使い方を間違っている。
「スキップ、いわにゃん、はいあがり」
「くそ、汚ぇぞお前! 折角ドロフォー引いたのに!」
「そんなの使わせるかよ……」
 ひさ子がやってらんねーとカードを机に放り出す。勝敗は入江が一番でその後に私、続いてひさ子、関根とユイは策を弄しすぎて自爆みたいな感じが多い。中々個性が出てると思う。
「あ、またやってる。みなさん、ほんとUNO好きですねぇ」
 飲み物を抱えた二人がようやく戻ってくる。遅いぞ、とひさ子がブーイングを飛ばす。彼女は負けが込むと人に厳しくなる傾向がある。良くないと思うぞ、そういうの。
「ひさ子さんがドクターペッパー飲みたいとか言うからでしょ! あれ階段上の自販機にしかないんですから!」
「まぁ判ってて指定したんだけど」
「これだから!」
 関根が憤慨しながらジュースを机に置く。コーラを受け取った。私とひさ子は飲み物で命を削っている気がする。死んでるけどさ。