Sample List


くるくる
 イクミ
雨ときどきロックンロール
 ウルー×双翼
彼女らの流儀
 いち×粉コロモ
Goodbye our god.
 左都×音羊
コオロギビーツ!
 文月そら
Allegro Tempo giusto
 アルエム×*
世界を謳う、混沌の歌姫。
 ドラゴニズム
風邪の君
 伊音×ヤナギ
空き缶と雨の日の私
 りんしょく
Goodbye Melancholy
        , Goodbye

 匿名希望×占石

ハッピーエンド
 けんごち

Our Song
 kobax×Anemos
Give up the ghost.
 橘
Way Up
 shuta
誰のための歌?
 山鳥
卒業
 鈴木このり×れもたろ
ランニングハイ
 すなふ
simile
 久慈光樹
Not Liar, Not falseNess.
 k.seiru×都岡さち
Ode to Joy
 風見由大×アリ
隣り合わせのサンクチュアリ
 広瀬凌×海底
ハッピーエンド
 けんごち

 行く当てもないまま、校内をさまよう。
 私はなんでこんなところに来てしまったのだろう――知り合いがいないという不安よりも、そっちの疑問の方が強かった。再びこうして私が高校生活を送ることに、何か意味はあるのだろうか。誰がそれを望んだのだろうか。
 授業をやっている教室のドアを、教師に見つからないように背をかがめながら横切る。何をやってんだ、と思わなくもないけど、生きていた頃の癖は抜けないらしい。
 とにかくどこか人気のないところに行こう――そう考えて、私はとにかく階段を上って、校舎の端を目指した。
 誰もいない三階の廊下を歩く。授業をやっている様子もないから、ここは特殊教室が固まっているのかもしれない。そんなことを考えながら、廊下を歩いていると、一つの教室から、ギターの音が聞こえてきた。
 一瞬、「やばい、音楽の授業中だ!」と思って身をかがめたけど、人が沢山いる気配はしない。私は、そーっとドアから中の様子を覗いてみた。
 一人の髪の短い女が、ギターを抱えて椅子に座っていた。
 その光景に、思わず私は見入ってしまった。まるで、その女を中心に世界中の時間が止まってしまったかのように見えたからだ。
 私は夢に浮かされたような足取りで、教室のドアを開く。気づかれてしまうと思ったが、別にかまわない。
 女は一瞬だけ私に視線を向けて、それから何事もなかったかのように、またギターをつま弾き始めた。